10 技能試験対策
<前回のあらすじ>
無事筆記試験に合格した3人。次は技能試験。この時点ですべての勉強を終えた俺は「俺理論」を実証する為に京太郎に教え始める。
試験結果通知書には次の指令が書かれてある。
技能試験のお知らせだ。
この技能試験こそがゲームで言えばボスキャラである。
筆記試験ほど簡単ではない、なめてかかると絶対に不合格間違いなし。
筆記試験合格で何故か気合の入った京太郎。
実技試験は簡単にはいかないと思ったのか、自分から
「どうすればいい?」と聞いてきた。
もちろんど素人でも合格できる秘策(俺理論)がある。
俺が必ず合格できるように短期間で育てる事にした。
実技試験の為の俺理論
俺理論 技能試験対策その① ランプレセプタクル50回法
「まずは、ランプレセプタクル50回だ!」
一応、俺も京太郎には合格してほしいわけだ。
丁寧にランプレセプタクルの作り方を教え、そしてやらせてみる。
はじめは電線を切断したり、線を剥いたり、ペンチで曲げたり、輪っかを作ったりの基本動作からはいる。ところが、京太郎は左利き。
全ての工具は右利き用なので何とも使いずらそう。
しかも京太郎の作業を見ているとこちらの頭が痛くなってくる。
左利きは全てが逆なのだ。
(左利きの人の字の書き方を見ると頭が痛くなるのと同じだ。)
教えようにも利き手が違うのでどうしようもない。
技能対策本を2冊渡し、あとは放置。
京太郎「この部分の作り方がわからん!」
俺「教科書に載ってる事なんて信じるな。 何度も繰り返せば誰にでも出来るようになる。 自分流のやり方でやれば良い。」
京太郎「じゃあ、自分のやり方でやろーとっ」
俺「まあ、それがええで。」
しばらくして
京太郎「何これえ~こんなんできたで」
俺「うわ!へたくそ!そんだけ時間かけて・・・これかい!
全然ちゃうやろ!よく見て作らんかいっっっ!!」
京太郎「こんなん、無理やわああ・・・」
俺「文句を言わんとやる!はい!後49回!」(・・・って、1個作るのにこれだけの時間がかかるのか・・・先が思いやられる・・・)
ホントーに、ど素人レベルでは大変な試験だ。
単純作業の繰り返しこそが合格への一歩目
技能試験には制限時間がある。
この制限時間内で課題を作り終える為には、「慣れた作業者」でなくてはならない。
何度も繰り返し書くが、この試験は職人の為の試験。
職人とは"作業に慣れた人達"の事だ。
職人であれば合格させてやるが、頭でっかちの知識しかないやつらには不合格しか与えてくれない。
つまり、職人並みの技術力・スピードを持っていないと受からないわけだ。
職人並みの技術力?そんな事が一ヶ月で可能なの?

「無理だよそんなの。見た事も聞いた事もないのに出来る訳ないよ!」
碇シンジくん 風 (知らない人の為にWikipedia)
そう思う人もいるだろうが、そこは俺を信じて欲しい。この"ランプレセプタクル50回法"は頭で覚える勉強ではなく、体で覚える訓練だ。
一度体がその動きを覚えれば一生覚えていてくれる。
それが職人だ。
何も悩む必要はない。やれば体が勝手に動いてくれる。
技能試験まで残り約一月。
京太郎は輪っか作り~ランプレセプタクル50回法を始めたのだった。
<このページのまとめ>
ランプレセプタクルは重要です。候補問題のほぼ全てに出題されています。(平成25年度はNO9だけ無しの13問中12問に出題。)しかも「今時ランプレセプタクルなんて使うの?」的な意味不明な電気器具です。(今時は12mm程に電線を剥いて差すだけ)
ここにこの技能試験の秘密(?)があるのです。
これは現場の職人向け試験だという事。職人であれば、このくらいの工作は20分~30分で完成できますよ。ところが慣れていないど素人さん達は時間切れで不合格になってしまうのです。
ランプレセプタクルは3分程で作れるレベルの腕が必要。その為には4~50回程の繰り返し作業をしなければなりません。頭で理解するよりも、体で覚える。
「体が勝手に動く。」というそんなレベルが必要です。
頭で覚えた事は忘れがちですが、体で覚えた事はそうそう忘れません。半年前に練習していても無駄ではないのですね。実際に私は技能の勉強は2月~4月にしており試験前はほとんど何もしていませんでした。
一発合格を目指すならば技能試験対策です。早い時期からこの「ランプレセプタクル50回法」で道具の使い方、電線の剥き方、輪っかの作り方、等を体に馴染ませておいてください。絶対に合格できます。