17 試験開始!
<前回のあらすじ>
ついに技能試験当日。材料が配られ中身を確認。この時点で候補問題No.8である事を確信した俺は頭の中で繰り返しイメトレをするのだった。そして試験開始!
第二種電気工事士 技能試験開始

そして試験開始。
技能試験は候補問題No8であった。器具の取り付けはランプレセプタクル、引掛けシーリング、リモコンリレーの3つだけ。アウトレットボックス内の接続もかんたんである。
① 複線図変換

まずは複線図を書く。
- 各線の名前
- リングスリーブの印
- 電線の長さ
- 電線の色(B,W)
そして見直し。
ここまで約3~5分。
② 電線切断

次に複線図に従いスケールで長さを計り各電線をペンチで切断する。切断した電線は区別できるように真ん中辺りに赤ボールペンで『1』『2』『3』『イ』『ロ』『ハ』と名前をつけた。
後は何も考えず電気器具を取り付けて接続するだけである。
③ 電気器具加工
ランプレセプタクル、引掛けシーリング、端子台に電線をつなぐ。
アウトレットボックスにゴムブッシングをはめる。
④ 接続
アウトレットボックスに各電線を挿入し接続する。
約25分で完成。
⑤ 見直し&片つけ
顔を上げて周りを見渡した。俺以外にも数人はこれくらいのスピードで完成しているようだ。が、半数以上(もっと?)は黙々と何らかの作業をしている。

人間観察をしていてもしょうがないので、出来た作品の確認をしていた。
「うーん・・・さすがは俺だ。芸術的な出来栄え。」
と自画自賛し電線の被覆などの片づけをしていた。
試験終了5分前。なんと半数以上は何かしら作業をしているようだ。
「おいおい、大丈夫かお前ら・・・???」
第二種電気工事士 技能試験終了
そして試験終了。
試験官が
「はい!ここまでです!これ以降作業をすると不合格にします!」
と言っているのだが、完成できていない人間には聞こえない。
悪あがきを続けている人間もちらほらといた。
カバンの中から技能の教科書を取出し確認。
欠陥らしきものは見当たらなかった。
「うん、完璧だな。」
会場を出る。(結構時間がかかった。)
待ち合わせの場所で京太郎と合流。
試験はどうだったか聞いてみた。
俺「俺は150%合格やな。25分で完成したわ。京太郎はどうやった?」
京太郎「20分で完成したで。」
俺「なに~!!20分!?俺より早いやん!」
京太郎「複線図を書かなかったから早かったわ。」
俺「何じゃそりゃ!まあ、かんたんやったしなあ。複線図なしでも作れるわな。」
なんと京太郎は複線図なしで、いきなり作り出したとの事だった。
あと、隣のおっさんがうるさいだのなんだのと文句を言っていた。
次の日、会社で橋本君にもどうだったか聞いてみた。
俺「俺は25分で出来たわ。橋本君はどうだった?」
橋本君「35分くらいでしたねえ。まあ完成しましたよ。」
俺「そうか、よかったな。二人とも合格やったらいいなあ!」
<このページのまとめ>
これで第二種電気工事士試験が終了しました。後は泣いても笑っても後日合否が知らされます。
技能試験は40分。考えている暇はありません。体が勝手に動くレベルになっている職人は20~30分で終了するでしょうし、技能試験をなめてかかった人達は40分では作れなかった事でしょう。
40分の制限時間には、ちゃんと意味があるのです。
何度も繰り返しますが、この資格は頭でっかちの人には不合格しか与えてくれません。この資格は職人向けの資格なのです。この技能試験に合格するには、職人レベルの(体が覚えた)技が必要なのです。
複線図を書かずにいきなり作業し始めるレベルになっていれば、おそらく大丈夫です。