3 テツの教えてくれたこと

2012年正月。ここは兵庫県宝塚市にある清荒神清澄寺。
通称「荒神さん」である。詳しくは知らないが、何でも火の神様らしい。
正月、荒神さんに初詣に行った。
そこで俺はこう決意した。
「今年こそは絶対に第二種電気工事士資格を取得するぞ!」
テツの教え
ここで話は一旦2008年にさかのぼる。
2008年 (平成20年)当時、俺は請負で家電設置業をしていた。
2011年7月の地デジ化に向け家電が飛ぶように売れていた時代だ。
特に薄型テレビやHDDレコーダーはものすごい数を毎日さばいた。
某運送会社(当時勤めていた運送会社)の後輩に第二種電気工事士資格を持つ奴がいた。
年齢は17歳。「テツ」と呼んでいた。本名は知らない。
最近では珍しく中卒だ。(最終学歴が中学校)
一見するとおとなしそうで爽やかなイケメンだが、ひとたびキレルと何をするかわからない。 ある時の喧嘩で運悪く相手にかなりの重傷を負わせてしまい少年院送りになった。
テツは少年院の中で第二種電気工事士資格を取得する為に勉強し、そして合格した。 そんなテツが
「第二種電気工事士は簡単ですよ!」
あんなもん、ちゃんと勉強すれば誰でも受かりますよ!
実技もかんたんです!」
と言っていた。
当時の会社が電気工事部門に進出するという事で、第二種電気工事士資格を取ってこいとの事。

「まあ、工事するのは好きな方だし、面白そうだし。」と、すぐ近くの書店にテツについてきてもらい、テツおすすめの教科書を買ったのだった。
3冊で4843円もした。
周りにはテツ以外にも第二種電気工事士資格を持つ人間がたくさんいた。
みんな現場しか知らないような人間ばかり。
(勉強嫌いで頭のわるそーな奴らばかり。)
実技は出来るのに、筆記試験が全然ダメで何度も不合格するような奴もいた。 (そんなやつでもエアコンの取り付けをしていた時代だった。)
よし!俺も電気工事士になるぞ!
と意気込んだものの、ページを開くと・・・
電気の計算や配電理論が展開されている。
なんだこりゃ?オームだのインピーダンスだのスター結線だの・・・
さっぱりわからない。
「まあ、しゃあない。千里の道も一歩からだ。がんばるしかない!
試験日までまだまだあるし気長にいこう!!」
資格を取る気でいたものの、その後事情があり某運送会社は辞めた。
2008年9月の事だ。電気工事士の試験は受ける理由がなくなり勉強も中断した。
<このページのまとめ>
少年院で第二種電気工事士の資格がとれるそうです。私は1年ほどですが家電設置を請負でしていました。そんな私の周りの仲間達は、どちらかと言えば「頭悪い系」です。体が丈夫で体力や体で覚えた技術でお金を稼ぐタイプばかり。
実は第二種電気工事士はそんな現場の職人向けの資格なのですね。難しい試験ならほとんどの人が合格できませんよ。(頭悪い系ですから σ(゚ー^*))